愛を受け取れるようになった私の、小さな言葉の変化

学生時代の私は、なんでもかんでも「ごめん」「すみません」が口癖でした。
謝っておけば角が立たないし、自信もないから責められたくない。
誰かの前で迷惑をかけることが苦しくて、とにかく「ごめん」で自分を守っていたんです。

でも、今振り返ると、そんな「ごめん」は自分を守るための鎧のようなものでした。
謝ることで安心できるけれど、心の奥の本当の気持ちはいつも押し込めたまま。
鎧を着ているうちは、誰にも嫌われずに済むけれど、
同時に、自分を素直に出すことはできなかったんです。

学生時代から社会人まで

部活でも、何かあるたびに「ごめん」を口にする。
勉強も運動も友達付き合いも基本的にはなんでもできる子でした。
だけど、内側ではいつもこう思っていました。

「優秀じゃないと価値がない」
「ダメな自分は認めてもらえない」

プライドは無駄に高くて、自分の弱さや失敗を認めることができなかった。

新卒で入った会社でも、その癖は変わらず。
自分の関わった仕事にミスが見つかると、たとえ自分のせいではなくても
勝手に休日出社して罪滅ぼし。それが上司にバレて、また叱られる。

なのに、本当に自分の大きなミスのときだけは、心から謝れない。
言葉が出ない。プライドが邪魔して、口をつぐんでしまう。
そんな自分もまた、鎧に守られたままだったんだと思います。

「なんでも謝る人、いるよね」

社会人2年目。人生で初めて彼氏ができました。
ある日、何気ない会話の中で彼がふと言いました。

「なんでも謝る人、いるよね」

その一言で、私は自分の口癖を外から見た気がしました。
——あぁ、私の癖って、こういうふうに見られるんだ、と。

「ごめんね」じゃなくて「ありがとう」

付き合ってしばらくしたころ、彼に「送り迎え、いつもごめんね」と言ったとき。
彼は静かに、でもはっきりとこう言いました。

「ごめんねって言わないで。
俺がやりたくてやってる。
をふ(私)にラクしてもらいたくてやってるから、
“ありがとう”って言ってほしい」

その瞬間、肩の力がふっと抜けました。
そうか、そうだったんだ。
申し訳ないじゃなくて、笑顔で「ありがとう」でいいんだ。

癖で「ごめんね」を言ってしまう度に、頬を膨らませてムッとして見せる彼。

それから私は少しずつ「ごめんね」を「ありがとう」に変えていきました。
頼ってもいいんだ、全部自分で無理しなくていいんだ、
そんな感覚が、少しずつ心に広がっていったんです。

彼は今、私の夫になりました。
私も旦那さんもお互いに「ありがとう」を言わない日はありません。

「ごめんね」を「ありがとう」に変えるだけで、
人から大事にされる自分、大事にされてもいい「私」を
少しずつ受け取れるようになった気がします。

「ごめんね」は、自分を守るための言葉。
「ありがとう」は、相手を大切にするための言葉。

小さな言葉の違いが、人を変えることもあるんです。
「ありがとう」ってすごい。

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